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エピソード#3「ミクロゲン」の名前の由来がわかった

3 日前
読了時間: 3分

更新日:11 時間前

「ミクロゲン」という名前は、どこから来たのか。社内でも長いあいだ謎でした。その答えは、蔵にあった一冊の分厚い事典の中に眠っていました。


蔵にあった『日本商標大事典』


『日本商標大事典 TRADE MARKS OF JAPAN』(商標研究会編)。昭和34年(1959年)1月15日発行。


『日本商標大事典』は、特許庁の監修のもと商標研究会が編集し、昭和34年に刊行した事典です。日本で登録された商標を、商品の分類ごとに収めています。英語表記も添えられていて、海外に向けて日本のブランドを紹介する役割も担っていたことがうかがえます。


商標でたどる日本のブランド史



江戸時代の商標。菓子、煙管、三味線の糸、美顔薬まで、さまざまな店のしるしが並びます。「ハイカラ」「チャプリン」「ノラクロ」「君の名は」など、時代ごとの流行が商標に映し出されています。


日本で商標を登録する制度が始まったのは、明治17年(1884年)の商標条例からです。この事典の巻頭には、それ以前の江戸時代の商標から、制度ができて最初に登録された商標、そして明治・大正・昭和の時代を映した商標までが並んでいます。商標を眺めるだけで、日本の暮らしと流行の移り変わりが見えてきます。



ページをめくると、虎屋、浅田飴、龍角散、崎陽軒など、今も私たちの身近にある名前がいくつも見つかります。60年以上前の事典に載っているブランドが、今も変わらず続いている。日本は100年を超えて続く企業が多い国だといわれますが、この一冊からもそのことが実感できます。


啓芳堂のページを発見


この事典の中に、啓芳堂製薬のページがありました。


そこには「ミクロゲン MICROGEN」と並んで、もうひとつの商標が載っていました。漢字で書かれた**「美黒源」**です。どちらも昭和12年(1937年)7月20日の登録で、番号も292141号と292142号の連番になっています。




美しい黒の源、で「美黒源(みくろげん)」。カタカナの「ミクロゲン」は、この漢字に由来する名前だったのです。黒々とした美しい髪や眉への願いが、この名前に込められていました。分類は「香料及び他類に属しない化粧品」となっていて、当時は化粧品として登録されていたこともわかります。


同じページには、もうひとつの製品「ビウラ(BEAULA)」も紹介されています。ビウラは「睫癖付具」、つまりまつ毛のカールをつける道具として、広く知られていたと書かれています。

なぜ昭和12年だったのか


事典の刊行は昭和34年ですが、商標の登録は昭和12年です。


養毛剤ミクロゲンは、すでに昭和6年に発売されていました。ただ当時の創業者は講談社に勤めながら、副業として事業を手がけていました。創業者が講談社を退社し、正式に啓芳堂の看板を掲げたのは昭和10年です。本業として事業を背負うことになり、その2年後に「ミクロゲン」と「美黒源」の名前を商標として登録した。名前を自社の財産として守る覚悟の表れだったのではないでしょうか。


ブランドを受け継ぐ


80年以上前に登録された名前は、いま「ミクロゲン・パスタ」として受け継がれています。


この事典に並ぶ老舗のように、名前を大切に守り続けることがブランドをつくるのだと思います。「美黒源」に込められた思いとともに、この名前をこれからも大切にしていきます。


※掲載資料は昭和34年(1959年)刊行の書籍です。当時の「ミクロゲン」は化粧品として登録・販売されていた製品で、現在の医薬品「ミクロゲン・パスタ」とは別の製品です。記載内容は当時のものであり、現在の製品の効能・効果を示すものではありません。

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