エピソード#4 これがビウラだ!
更新日:1 日前
前回(エピソード3)の商標事典に「睫癖付具(まつげに癖をつける道具)として広く知られている」と紹介されていた「ビウラ」。その実物が、箱入りのまま蔵に残っていました。昭和5年(1930年)に発売された、啓芳堂のアイラッシュカーラーです。
箱を開けると

黒い箱のラベルには「"BEAULA" EYELASH CURLER」。赤い内箱に、薄紙に包まれた本体が収まっていました。

金属製のビウラ本体。指を入れる輪、まつ毛をはさむ部分の形は、今のアイラッシュカーラーとほとんど変わりません。
黒い箱には、横顔のマークと「"BEAULA" EYELASH CURLER」の文字が入った丸いラベルが貼られています。ふたを開けると赤い内箱があり、薄紙にくるまれた金属の本体が出てきました。
指を入れる2つの輪、まつ毛をはさんで持ち上げる先端。90年以上前の道具ですが、形は現在のアイラッシュカーラーとほとんど同じです。完成された道具だったことに驚かされます。
アイラッシュカーラーは、日本語では「睫癖付具」、まつ毛に癖をつける道具と書かれていました。当時はまだ、この道具を呼ぶ一般的な日本語がなかったのでしょう。
スタア美人を目指して

箱には、折りたたまれた説明書が入っていました。片面には、長いまつ毛の女性の顔が大きく写り、「ENHANCE THE BEAUTY OF YOUR EYES(あなたの目の美しさを引き立てる)」という英語の見出しがあります。
もう片面には「なぜ?スタア美人たちのマツ毛は美しいのでせう」という問いかけ。そして「夢見るマツ毛に!」「魅惑のマツ毛に!」というコピーが並びます。使い方を写真付きで順に解説し、使用上の注意や、交換用の「替ゴム」の案内まで載っています。消耗品の替えゴムを用意しているところも、今のカーラーと同じです。
モダンガールの時代
昭和5年といえば、街を歩く女性の多くがまだ着物姿だった時代です。その一方で、洋装に断髪の「モダンガール(モガ)」が登場し、映画館ではハリウッド映画が人気を集めていました。
ビウラの説明書が描いているのは、スクリーンに映るハリウッドのスタアたちのような、くるんと上を向いたまつ毛です。英語の見出しや「スタア美人」という言葉選びからは、まだ珍しかった西洋風の目元の美しさを、日本の女性に届けようとした意気込みが伝わってきます。
「毛」に関わる事業の一翼として
ビウラは、啓芳堂の「毛に関わる事業」の一翼を担う商品でした。翌年の昭和6年には養毛剤「ミクロゲン(美黒源)」、脱毛剤「デラトン」が続きます。髪、まつ毛、ムダ毛と、毛にまつわる悩みや憧れに応える商品を次々に世に送り出していったのです。
※現在”ビューラー”の登録商標は岡本和久氏が保有しています。




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