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エピソード #9 ビウラにはカラーバリエーションがあった?

10月12日
読了時間: 2分

更新日:10月13日

蔵の奥から、またビウラのケースが見つかりました。ところが今回は、色がちがいます。赤、青、緑。中身は入っていませんが、色ちがいのケースが3つそろっていました


赤・青・緑の3色


3つのケースは、どれも同じ形をしています。角を斜めに落とした六角形の断面で、ふたは黒いボタンで留める仕組み。表面には革のような型押しがほどこされ、ふたの前面には「EYELASH CURLER」の文字が入っています。

#04でご紹介した黒い箱は、店頭に並べるための化粧箱でした。今回のケースは、手のひらに収まる大きさで、バッグに入れて持ち歩くためのものだったのかもしれません。


ふたを開けると


ふたを開けると、裏側に"BEAULA"のロゴ。これまでの箱や広告と同じ、直線と円を組み合わせたあのロゴです。赤いケースは銀色、青と緑のケースは金色で文字が入っています。

中敷きにはカーラーをはめ込むためのくぼみがあり、青と緑は鮮やかな黄色のビロード張り。赤だけは、波のような模様が浮かぶ光沢のある布張りです。ケースの色と中の色の組み合わせまで考えられていたことがわかります。


試作品?それとも商品?

この3色のケースが、実際に店頭に並んだものなのか、それとも試作のサンプルだったのか。今のところ、それを確かめる資料は見つかっていません。赤だけ中敷きの布や文字の色がちがうのは、作られた時期がちがうのか、試作を重ねた跡なのか。想像がふくらみます。

もし本当に色を選べる商品だったとしたら、とても先進的です。今でこそ、スマートフォンやパソコンを好きな色から選ぶのは当たり前になりました。アップルが色とりどりのパソコンを発売して話題になったのは、1990年代の終わりのことです。それより60年以上も前に、まつ毛のカーラーで「色を選ぶ楽しさ」を提案していたとしたら、面白いと思いませんか。

ちなみに、赤・緑・青は「光の三原色」。偶然かもしれませんが、なんともモダンな色の選び方です。


ケースにも宿るこだわり

輸出用のおしゃれな円筒形のパッケージ(#05)、映画のポスターのような広告(#06)。これまで見てきたように、ビウラは中身の道具だけでなく、見せ方の一つひとつにまでこだわって作られていました。

講談社でレタリングを学び、ロゴや説明書を自らデザインしたと思われる創業者。その美意識は、この3色のケースにも表れています。道具を「持つ楽しさ」まで考えていた、創業者のアートディレクションが伝わってきます。

色ちがいのビウラが本当に売られていたのか。手がかりが見つかったら、このアーカイブでご報告します。


 
 
 

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